世の中睡眠の悩みを抱えている人は大変多く、そのための本やテレビ番組の特集がたくさん有ります。
中高年の太めの男性は、睡眠時無呼吸もしくはいびきの悩みを持っています。
またご高齢の方は、睡眠導入剤を使っている方が多くいらっしゃいます。
多くの方が睡眠の悩みを持っていますが、今回は睡眠時無呼吸に関して取り上げてみます。
▼目次
睡眠時無呼吸とはどんな病気か?
社員旅行などに行って、同僚と同じ部屋で寝てこの人こんなに大きないびきをかくんだと驚く事が有ります。
そして、いびき断続的にいびきの音が消える!!
これは、睡眠時無呼吸の疑いがありますよね。
睡眠時無呼吸状態とは、寝ている時に無呼吸状態を何度も繰り返す症状を言います。
医学的な定義として、無呼吸状態が10秒以上続くことを言います。
普通の人は、仰向けに寝ても空気の通り道である気道が塞がることはありません。
肥満の人や中高年以上の一部の女性は、喉の奥にある軟口蓋が下がったり、舌の根元が喉の奥のほうへずれ込んだりすることで、気道をふさぎ息が出来なくなってしまいます。
これを医学的に難しく言うと、閉塞性睡眠時無呼吸と言います。
通常言われる睡眠時無呼吸は、この閉塞性睡眠時無呼吸のことです。
肥満の人に何故睡眠時無呼吸が多いかというと、のどの周りに脂肪が多くあるため気道を圧迫してしまうためです。
また肥満の人は、舌にまで脂肪がつき喉の奥に舌がずれ落ち、やはり気道をふさいでしまいます。
二重あごの人は、あご周りの脂肪がやはり気道を圧迫してしまいます。
女性の方であごの小さい人は、肥満度があまり高くなくても睡眠時無呼吸になりやすいので要注意です。
睡眠時無呼吸の身体への影響
寝ている時に無呼吸状態を繰り返すわけですから、どうしても睡眠が浅くなってしまいます。
そのため昼間でも眠いという状態が、続きます。
ただ眠いだけと思ってはいけません、高血圧・脳卒中・糖尿病のリスクが懸念されます。
統計的には、重症の睡眠時無呼吸の人は、高血圧症は2.89倍、脳卒中は3.3倍、糖尿病は1.62倍高くなるという報告があります。
通常人は睡眠時は、副交感神経が優位になり血管は広がり血液の流れがスムーズな状態です。
ところが睡眠時無呼吸では、無呼吸状態の時意識が一部覚醒し交感神経が活発になります。
酸素が入ってこないという危機状態になるとアドレナリンが分泌され、血管を収縮させます。
さらに酸素が入ってこない状態が断続的に続きますから、心臓は一生懸命に酸素を送ろうとして活動を高めます。
この様な状態が続くと、心臓にも負担がかかります。
この負担状態から、心臓や血管が痛んできてしまうわけです。
また人間は、ストレスがかかるとインシュリンの出が悪くなってしまいます。
こうなると、糖尿病のリスクも高まります。
睡眠時無呼吸の検査
いびきが大きく普段から眠気がきついという自覚がある人は、ぜひ検査をするべきです。
最初の検査は、自宅でも可能です。
〇パルスオキシメーター検査
腕時計みたいな装置を巻き、指先にセンサーを付けます。
この簡単な装置で、血液中の酸素濃度や脈拍を記録できます。
酸素濃度と脈拍から、低呼吸や無呼吸を推測することが出来ます。
この結果から、無呼吸や低呼吸が一時間に5回以上あると本格的な検査となります。
パルスオキシメーターは、医療機関からの貸し出しになります。
〇終夜睡眠ポリグラフ検査
パルスオキシメーター検査で異常が見つかると、入院による検査が行われます。
脳波・眼球運動・筋電図・心電図などを一晩中取り、睡眠時無呼吸かどうかを診断します。
さらに、口と鼻の気流、胸お腹の動き、いびきなども測定していきます。
無呼吸・低呼吸指数(AHI)とは、睡眠時無呼吸の重症度を示す指数です。
5~15未満・・・軽症
15~30未満・・中等症
30以上・・・・・重症
重症になると、睡眠中の半分以上で脳が覚醒した状態となっています。
睡眠時無呼吸の治療
AHIの値により、治療方法も変わってきます。
〇軽症
睡眠時無呼吸の場合、やはり肥満が大きな原因ですから減量がまず第一の治療法になります。
目安は、5キロぐらいの減量に設定します。(ダイエット関連ページ)
舌などがのどに落ち込むタイプの方は、横向きに寝ることにより症状が改善される場合があります。
横向きで寝ると、肩などが痛くなる場合がありますので、専用の枕や抱き枕などを使うと眠りやすくなりますよ。
睡眠薬を服用されている方は、症状を長引かせる可能性がありますので、医師に相談して下さい。
また、アルコールは筋肉を弛緩させ舌を気道に下がらせる事が有りますので、控えるほうが良いでしょうね!!
〇中等症
生活習慣の改善は言うまでもありませんが、さらに睡眠時にマウスピースを装着をします。
このマウスピースをすることで、わずか数ミリですが下あごを前に出すことが出来ます。
わずかなずれですが、舌が喉のほうに落ち込むことを予防してくれます。
ただ問題点は、マウスピースをすると違和感から眠れないとか、吐き気を感じる人もいます。
また、顎を僅かとはいえ動かすことにより炎症を起こす場合もありす、この場合は装着を一時中止します。
〇重症
ここまでくると鼻にマスクをつける、持続陽圧呼吸療法(CPAP)の出番になります。
CPAPは、圧力を加えた空気を気道に送り込みます。
この圧力を加えた空気の圧により気道を広げ、楽に呼吸をすることがで可能になります。
CPAPを装着するようになり、睡眠の質が上がり昼間の眠たさが取れたという人が多くいます。
睡眠の質が向上するので長期間使用する人がいますが、生活習慣の改善やダイエットにより、使用しないでも済むように努力することを怠ってはいけません。
睡眠時無呼吸の改善がみられてきた場合は、医師と相談し使用の中止も検討しましょう。
中等症の人で、マウスピースの使用ができない人はCPAPの装着を医師に相談して下さい。
まとめ
大きないびきをかいていたり、日中強い眠気があるなどの症状があっても、つい軽く見がちです。
いびきは自覚しづらいです、回りの人が気づき指摘された時は、むきにならず冷静に自分を見つめ、治療を始めてくださいね!!
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